【2025年8月23日】ダイビング記録 ~奄美大島北部・リラックスガーデン&ハナゴイで出会った生き物11選~

2025年8月23日、奄美大島北部のダイビングスポット・リラックスガーデン&ハナゴイでのダイビング記録。
夏季の砂地〜岩礁移行帯で確認できた生き物を中心に、分布・生息環境・確認状況および簡単な同定メモをまとめた。

※ 魚類の標準和名・学名は本村(2025)に従った。

目次

リラックスガーデン

軟体動物

ウサギモウミウシ

Costasiella usagi Ichikawa, 1993

図.1 ダイビングポイント「リラックスガーデン」で確認された
ウサギモウミウシ(写真提供;Leap Scuba Amami, 新屋様)
図.2 ホストのコテングノハウチワの脇で寄り添う
ウサギモウミウシ

分布

西太平洋、中部太平洋

生息環境

コテングノハウチワが生育する砂地

確認状況・同定メモ

コテングノハウチワ(環境省RL:準絶滅危惧NT)をホストとする。

深草色の背側突起が蓑を背負っているようで可愛らしい。

移動の際はウサギが跳ねるような行動をとることから、和名が付けられた。

今回、ホスト(食べものとする植物)であるコテングノハウチワの近くで寄り添う2個体を確認!

ウミウシはホストや季節性が深く関係するようで、なんだか私が愛好する蛾や天牛のようで素敵…!
ダイビングにおける個人的な推し分類群になりそうな予感!?

※ 図.4の写真はLeap Scuba Amamiの新屋様にご提供いただきました!

魚類

キンギョハナダイ♀

Pseudanthias squamipinnis (Peters 1855)

図.3 ミツボシクロスズメダイ等と混群を形成する
キンギョハナダイ♀

分布

南日本の太平洋岸、伊豆・小笠原諸島、福岡県、琉球列島インド・太平洋

生息環境

岩礁域 サンゴ礁域の沿岸浅所

確認状況・同定メモ

水深8-15m付近でミツボシクロスズメダイやヨスジフエダイ、アマミスズメダイなどと混群を成していた。

♀の体色はどの地域でも同じだが、♂は地域差があり、分類学上の検討が必要とされている。

ヨスジフエダイ

Lutjanus kasmira (Fabricius 1775)

図.4 ダイビングポイント「リラックスガーデン」で確認された
ヨスジフエダイ

分布

国内では南太平洋岸,琉球列島,小笠原諸島

生息環境

サンゴ礁域

確認状況・同定メモ

よく似た種にベンガルフエダイ Lutjanus bengalensis がいるが、

  • 頭部が白く黒い筋が入ること
  • 目がやや後方にあり口先がやや尖ること
  • 4本の縦筋が比較的明瞭なこと

から、ヨスジフエダイ Lutjanus kasmira (Fabricius 1775)と判断した。

ミツボシクロスズメダイ

Dascyllus trimaculatus (Rüppell 1829)

図.5 ダイビングポイント「リラックスガーデン」で確認された
ミツボシクロスズメダイの成魚  

分布

南日本の太平洋岸、琉球列島、朝鮮半島、インド・太平洋

生息環境

礁地と礁斜面に生息し、浅所に普通。 夜間はサンゴの枝間に隠れる。

確認状況・同定メモ

「ミツボシ」の由来は、幼魚の模様に由来する。

オヤビッチャ

Abudefduf vaigiensis (Quoy & Gaimard 1825)

図.6 岩陰で群れるオヤビッチャ

分布

南日本の太平洋岸、琉球列島、小笠原諸島;朝鮮半島、インド・太平洋

生息環境

岩礁域やサンゴ礁域の水深1-12mに生息。礁斜面上部に多く見られる。

確認状況・同定メモ

琉球列島では普通種。雑食性。幼魚は流れ藻につく。

背に黄色い部分があるのが特徴。

クマノミ

Amphiprion clarkii (Bennett 1830)

図.7 ミツボシクロスズメダイとイソギンチャクの周りで遊泳するクマノミ

分布

南日本の太平洋岸、琉球列島、小笠原諸島、朝鮮半島、インド・太平洋

生息環境

岩礁やサンゴ礁に生息。
サンゴイソギンチャクやイボハタゴイソギンチャクなどの大型イソギンチャクと共生する。

確認状況・同定メモ

雌は尾鰭が白く、雄は黄色い。

黒い体に白斑があるのはミツボシクロスズメダイの幼魚で、両側面と頭上部に白斑があり「三ツ星」を形成する。

クマノミはイソギンチャクの深くに隠れるが、ミツボシクロスズメダイは完全にイソギンチャクに潜り込むことは少ない印象を受けた。

ハマクマノミ

Amphiprion frenatus Brevoort 1856

図.8 イソギンチャクに身を隠すハマクマノミ

分布

琉球列島、西部太平洋の熱帯域

生息環境

タマイタダキイソギンチャクの生育するサンゴ礁域

確認状況・同定メモ

成長とともに黒みが増す。幼魚には横帯が1本のものと、2-3本のものが見られるが、成長するとやがて1本になる。

クマノミ属の中では気性が荒く、特に産卵期の雌は攻撃的。

クマノミ属は、大まかには横帯の本数で識別でき、

  • 1本:ハマクマノミ  A. frenatus
  • 2本:クマノミ    A. clarkii     
  • 3本:カクレクマノミ A. ocellaris

であることから「1ハマ、2クマ、3カクレ」と覚える。

カクレクマノミ

Amphiprion ocellaris Cuvier 1830

図.9 イソギンチャクに身を隠すカクレクマノミ

分布

沖縄島以南、東部インド洋〜西部太平洋の熱帯域

生息環境

ハタゴイソギンチャクの生育するサンゴ礁

確認状況・同定メモ

イソギンチャクへの依存度は高く、宿主から離れることは殆どない。

クマノミ属は、イソギンチャクの中で最大の個体が雌、2番目に大きな個体が雄に性転換する。

ハナゴイ

棘皮動物

クロエリナマコ(クロテナマコ)

Holothuria graeffei Semper, 1868

図.10 放精中のクロエリナマコ

確認状況・同定メモ

夕方、薄暗くなった海の中で何やら怪しげにたち上がるものを発見。
放精の瞬間らしく、結構珍しいらしい (※放卵は噴出物が赤い)。

20-25cmほどの大きさ。

トラフナマコHolothuria (Stauropora)pervicax Selenka, 1867 と極似するが、退職、姿勢、質感、環境がクロエリナマコと整合的。トラフはより斑紋と疣が明瞭な模様。難しいですね…。

魚類

タツノイトコ

Acentronura gracilissima (Temminck & Schlegel 1850)

図.11 ダイビングポイント「ハナゴイ」で確認されたタツノイトコ

分布

南日本の太平洋岸,伊豆・小笠原諸島;インドシナ半島南岸

生息環境

岩礁や海藻の間に生息し海藻に巻き付く

確認状況・同定メモ

海藻に巻き付いているところを発見。
しかし、意外にも全く動かないわけではなく、観察している間にも海藻から離れる様子が確認された。

尾鰭はなく体色は焦茶色や淡い黄色。背鰭付け根の肉質部が隆起する点でタツノハトコA.tentaculata と識別できる。

ホタテウミヘビ

Ophichthus zophistius (Jordan & Snyder 1901)

図.12 砂に身を隠すホタテウミヘビ

分布

南日本,琉球列島;朝鮮半島

生息環境

サンゴ礁および岩礁の砂泥

確認状況・同定メモ

ウナギ目ウミヘビ科の方のウミヘビ。頭部に斑紋が多数見られるのが特徴。

夜行性のためか、砂から頭だけ出している姿が印象的だった。

参考資料・引用文献

  1. 本村浩之.2025.日本産魚類全種目録:これまでに記録された日本産魚類全種の現在の標準和名と学名.Online ver. 35.https://www.museum.kagoshima-u.ac.jp/staff/motomura/jaf.html(参照日:2026年1月20日)
  2. JAMSTEC BISMaL (Biological Information System for Marine Life).クロテナマコ/クロエリナマコ(Pearsonothuria graeffei).https://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9044592(参照日:2026年1月21日)
  3. 吉野雄輔.2018.山溪ハンディ図鑑 改訂版 日本の海水魚.山と溪谷社.
  4. 中野理枝.2019.ネイチャーガイド 日本のウミウシ 第二版.文一総合出版.
  5. 加藤昌一・小野篤司.2020.ネイチャーウォッチングガイドブック 新版 ウミウシ:1260種 特徴がひと目でわかる図解付き.誠文堂新光社.
  6. 黒潮生物研究所.トラフナマコ.https://kuroshio.or.jp/creature/トラフナマコ/(参照日:2026年1月20日)
  7. おきなわ図鑑https://okinawa-zukan.com/detail.php?id=562(参照日:2026年1月20日)
  8. 吉野熊野ネイチャー図鑑(宇久井ビジターセンターhttps://www.ugui-vc.jp/zukan/detail/461/(参照日:2026年1月20日)
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